父の事

父のことを考えてみる。精神科医である父は70を過ぎた今も現役で仕事をしている。
医師であり、研究者でもある父は、仕事上は滅法評価が高く、そして、家族の中において私の癒しでもある。
 とにかく優しい人で、声を荒らげる事もほとんどない。2人でいるといたって、優しい時間が流れる。
 彼にとっては孫である私の二人の息子に優しく、おじいちゃんの事を息子達は大好きだ。
 
しかし、母によると、父は若い頃から浮気を繰り返していたそうだ。事実なのかどうかはわからないが、もし真実であったとしても、私は責める気にはならない。
あの母が妻では心安まる時はなかったはずだ。
もし愛人がいて、そこで安らげるなら逆に安心なくらいだ。

優しすぎるゆえなのか、とにかく争いごとは嫌いな父。
幼きころから、母が私や姉ともめると、子供たちの話は一切聞かない。
とにかくママに謝りなさいの一点張り。

パパがこんなに頼むんだったら、と渋々あやまことで、母はどんどん帝王化していったようにおもう。