昔の記憶

一番昔の記憶をたどる。

ベビーベッドの柵から母が見える。
母が私のお気に入りのブランケットを持ってきてくれるところだ。

赤ちゃんだったころから、母に添い寝してもらったことがなかった。
私は生まれた頃から、子供部屋のベビーベッドで寝ていた。

私に息子が生まれ、同じ部屋で寝ていると知ったとき。
そんなことはやめなさい。
子供はひとりで寝かせなさいと何度も言われた。
あんな小さなかわいい息子を一人ぼっちで寝かせるなんて無理だった。
それに夜中何度も泣いて起きるから、そばで寝ている方が都合もいい。

泣いたら泣かせておきなさい。
そのうち諦めて寝るんだから。

新米の母だった私は、子供が泣いてるならいつだって手を差し伸べたかった。
泣いてる理由がわからない時も何度となくあったけど、それでもいろんな方法で子供が落ち着くまで、抱いていた。
そばにいた。

そんなことをしたらワガママになるだけだと言われたけど。